SIGMA sdQuattro初心者ユーザー必見!黄葉が赤くなりすぎてしまうシーンでの対処方法 ホワイトバランス設定
朝晩もすっかり涼しくなり、秋の景色をあちらこちらで見かけるようにありました。秋と言いますと、やはり紅葉。写真好きのFoveonユーザーさんなら、美しい秋の紅葉の撮影を楽しみにされてる方も多いかと思われます。
もみじの真っ赤な紅葉も素晴らしいところですが、自然を題材にした風景写真を楽しまれている方は、「紅葉」よりも「黄葉」に出会うシーンも多いのではないでしょうか。
ただ、金色に輝く美しい「黄葉」をSIGMAのミラーレスsdQuattroで何気なく撮影しますと、赤みが強く出すぎてしまい、金色に輝く黄葉が枯れ紅葉のように写ってしまったことはないでしょうか。
風景写真初心者の筆者は、この不自然な色合いがどうしても好きになれず、「Quattro」センサーはダメだ、やはり「Merrill」センサーの方が良いのだろう、と早合点してしまい、sdQuattroを下取りに出してSD1Merrillの中古品を手に入れてしまったことがあります。
恐らく多くのFoveonユーザーが感じるセンサーの違い。同じFoveonセンサーでも、SD15、SD1Merrill、sdQuattroではかなり絵作りに違いを感じる部分もあるのではないでしょうか。
一度は手放してしまいましたsdQuattroではありましたが、使い勝手などいろいろな側面を検討し、筆者は現在はSD15、SD1Merrill、sdQuattroHをそれぞれ楽しんでおります。
シーンによって使い分けていると言いますと格好の良い話となりますが、実際はその日の気分で使い分けているだけの話となってしまいますが。
現在、sdQuattroHユーザーの一人としまして、sdQuattroを手放す理由となりました「黄葉」の色合いが上手く表現できなかった部分を、当時の写真を用いまして、再度検証してみましたので、簡単に書き綴っておきたいと思います。
黄葉をホワイトバランス「オート」で撮影
上の写真は当時、関東平野部よりも一足早い紅葉を楽しみたいと思い、10月上旬に志賀高原を訪れました際に撮影した写真となります。
1枚目は、山に広がる黄葉が美しく、思わず万座ハイウェーから撮影しましたスナップとなります。
2枚名は、志賀高原の木戸池。池に映り込む白樺の黄葉の美しい静かな池での撮影です。
どちらの撮影でも、ホワイトバランスの設定は「オート」。
万座の黄葉の写真は枯れ紅葉のように赤焼けしており、現実とはほど遠い印象の写真となっております。
木戸池の方は、万座の写真ほどはひどくはありませんが、白樺の黄葉の明るく爽やかな雰囲気は感じられないやや色褪せた雰囲気の写真となってしまっております。
現像ソフトSIGMA Photo Proでホワイトバランス設定を「晴れ」へ
ホワイトバランスの設定を「オート」で撮影しますと、露出が安定しない、あるいは色温度(ホワイトバランス)が安定しない、という事はFoveonユーザーの間ではよく囁かれる話ではありますが、現実に撮影の中でやはり不安定に感じるところがあるのも事実です。
そこで、恐らくFoveonユーザーのほどんどの方は、ホワイトバランスの設定は「オート」ではなく「晴れ」を常用していると思われますが、SIGMA Photo Proでホワイトバランス設定を「晴れ」に変更してみました。
万座の黄葉の写真は、「オート」とほとんど変わらずに赤茶色の枯れ紅葉の様相となっております。
木戸池の写真の方は、ホワイトバランスが「オート」の時よりも赤みが強まってしまっております。
このことからも、ホワイトバランス「オート」での撮影では、色温度がかなり不安定になっていたことを窺い知ることができます。
黄葉写真は全体像を考慮しながら「色温度指定」で
ホワイトバランスが「晴れ」の設定ではかなり赤みが強くなってしまいましたが、よくFoveonセンサーは赤が飽和すると言われておりますが、黄葉のシーンでは、飽和と言いますよりも全体的な赤みが強い雰囲気となっております。
そこで、写真の全体的な色合いを見ながら色温度を下げてゆきます。
SIGMA Photo Proのホワイトバランス設定で「色温度指定」を選択しますと、色温度を細かく設定することが可能となっております。
因みに、この「色温度指定」につきましては、sdQuattro以降のモデルのみ可能なホワイトバランスの設定で、SD15やSD1Merrillなどのモデルでは「色温度指定」はできないようになっております。
万座の黄葉の写真につきましては、色温度を大胆に4,000Kまで下げましたところ現場の色合いに近い雰囲気となりました。
木戸池の方は、4,800K。
通常、「晴れ」設定が5,400Kくらいに設定されておりますので、かなり色温度を下げないと実際の雰囲気が出せないシーンとなりました。
ただ、全体的には色のメリハリがなく淡いトーンとなってしまい、また、黄葉の輝いている雰囲気も出せていない写真となります。
ホワイトバランスの次はカラーモードの設定へ
ここまでは、ホワイトバランスで全体の色合いを決めてきましたが、今度はカラーモードを設定して、色合いにメリハリを付けてゆきたいと思います。
風景写真ですので、まずはカラーモード設定を「風景」に設定してみます。
どちらの写真もカラーモード設定が「スタンダード」の時よりも色乗りがよく、全体的に「濃い絵」となりましたが、少々赤みが強くなってしまう印象で、「黄色」が若干「柿色」寄りになってしまい暖色系の風景となってしまいました。
特に木戸池の黄葉の方は、時期的に黄葉の初期の頃合いで、緑から黄色までの色合いに不満を感じてしまう部分も残ります。
そこで今度はカラーモード設定を「フォレストグリーン」に変更してみます。
木戸池の爽やかな白樺の黄葉の雰囲気もよく表現できており、全体的にハイライトをかけたように少し明るさも感じる写真となりました。
万座の黄葉につきましては、やや緑の残っている木々の雰囲気が上手く表現できておりますが、空の色が若干暗いトーンになってしまいましたのは少々不満の残るところではありますが、全体的な雰囲気はよく表現できているものとなりました。
参考情報
今回は、SIGMAのFoveonユーザーに向けて、黄葉の色合いを上手く表現できない場合の、ホワイトバランスとカラーモードの設定例をご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
方法がこれしかない訳ではなく参考例としましての話となってしまいますが、黄葉撮影時のご参考になればと思う次第であります。
筆者の感覚では、「黄葉」の色合いを上手く表現したいときは、全体的に色温度を低めに設定しまして、カラーモードを「フォレストグリーン」や「FOVクラシックイエロー」に設定しますと求めている色合いに近いところになる事が多いように感じております。
晴れているからホワイトバランスは「晴れ」、風景写真だからカラーモードは「風景」と決め打ちするのではなくて、現像時にSIGMA Photo Pro内にていろいろな設定をトライしてみるのも面白いところかと思われます。
一度は手放しましたsdQuattroですが、再度sdQuattroHにQuattroセンサーに戻ってきました理由に、ファームウェアのアップデート改善とSIGMA Photo Proの設定の改善があげられます。
使い勝手の良さと、ソフト面の改善は大いに歓迎すべきところで、SD15やSD1Merrillなどとは異なる表現を楽しむことができる部分かとも思われます。
Quattroユーザーのみなさんには、今年の黄葉シーズンでは是非とも黄葉撮影を楽しんでいただきたいところかと思われます。
まだまだコロナウイルス感染拡大状況は予断の許さぬ状況が続いておりますが、密を避け、人との距離を保ちながら、周りを意識しながら、紅葉・黄葉を楽しんでいただきたいところかと思われます。
2020.09.24記