懐かしい風景 古い街並みが残る信州海野宿を撮るぶらり旅 長野県東御市
どこか懐かしい風景。重要伝統的建造物群保存地区にも指定されております海野宿は、宿場町として栄えた江戸時代、養蚕業を営んできた明治時代の建物が残る美しい街並みが現在も保たれております。一直線に伸びる道路の両側に歴史を感じさせてくれる風情のある建物群が650mほどの区間に軒を連ねております。今回は、信州東御市は海野宿の美しい街並みをご紹介いたします。
海野宿ってどんなとこ？
信州長野県は東御市（とうみし）に江戸時代に北国街道の宿場町として栄えた海野宿があります。
中山道と北陸道を結ぶ北国街道の宿場町としまして、江戸時代には佐渡の金の輸送や善光寺詣での参拝などで大変賑わった宿場町だったようです。
明治時代に入りますと交通網の整備により、宿場町としての機能が薄まってゆき、養蚕を営む街へと変化していった模様です。
その変化が建物の建築様式などにも表れておりまして、海野宿の現存する建物は江戸時代の建物や明治時代の建物などがあり、建物ごとに見ますと趣が少しずつ異なるものとなっておりますが、街並みとしましては上手く調和された景観が保たれ、風情のある街並みが現在も残っております。
道路の両側に100棟ほどの歴史を感じさせる建造物が続く街並みは、その景観と歴史的価値から、「重要伝統的建造物群保存地区」、「日本の道百選」にも選定されております。
海野宿の見どころ
海野の宿は、真っ直ぐに続く道路の両側に、歴史を感じさせてくれる風情のある建物が軒を連ねており、のんびりとした気持ちで散策をしたいところです。
長野県の重要伝統的建造物群保存地区と言いますと、奈良井宿や妻籠宿など、木曽の地域のやや黒っぽい色合いの木造の建物・街並みを想像してしまいますが、海野宿はそれらとは異なる雰囲気があり、ここでしか観ることのできない景色を形成しております。
海野特有のものとしましては、「海野格子」。長短2本ずつ交互に組み込まれている格子で、美しく趣のある景観となっております。
また、防火用として家屋の壁に「うだつ」が立てられており、豪華な造りの建物が多く残っています。
「うだつ」の街並みとしましては、岐阜県の美濃市や徳島県の美馬市脇町なども有名なところですが、海野宿でも多くのうだつが残っております。
よく「うだつが上がらない」と言われたりする時に「うだつ」という言葉を聞きますが、防火用のうだつではありますが、時代と共に装飾が施されたり、と豪華になってゆき、そこから「うだつが上がる（上がらない）」という言い回しに使われるようになったとも言われております。
海野宿のうだつには、「本うだつ」と呼ばれる江戸時代のもの、「袖うだつ」と呼ばれる明治時代のものなどがあり、それぞれを見比べて楽しむことができるようになっております。
真っ直ぐな道路に沿うように街並みが形成され、「表の川」と呼ばれる用水路や柳の木が街並みに一層の風情を感じさせてくれております。現在は、資料館の他にカフェやショップを営む店舗も多く、風情を感じながら散策を楽しみつつ、カフェ休憩などもお勧めのところとなっております。
海野宿 アクセスと駐車場
海野宿へのアクセスにつきましては、公共交通機関では、しなの鉄道田中駅もしくは大屋駅より徒歩にて20分ほど、タクシーを利用する場合はタクシーにて5分ほどとなっております。
長野県東御市本海野781付近
自家用車では、上信越道東部湯の丸インターより5㎞ほどとなり、国道18号線「海野宿入口」交差点より線路を超え川沿いに少し走りますと駐車場となっております。
無料の駐車場が完備され、第1、第2、第3と3つの駐車場があり、第3駐車場は大型車専用となっておりますので、ご注意の程お願い申し上げます。
ロケーション的な部分では、第1駐車場が宿場町の街並みからほど近い場所に位置しておりますので、普通車の場合は第1駐車場がお勧めとなります。
（駐車場にはゲートが設置されておりましたが、無料で利用できたと記憶しております。）
参考情報
今回は、美しい昔ながらの街並みが残っている長野県は海野宿をご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
うだつの町並みが美しく、風情を感じながらのんびり散策したい方にはぴったりの宿場町かと思われます。
今回使用の機材は、SIGMAの一眼レフSD1 Merrillを使用して撮影しましたが、雲の多い日で晴れ間を見つけるのに苦労した覚えがあります。是非とも穏やかなお天気の日に訪れたい所です。
まだまだコロナウイルス感染拡大状況は予断の許さぬ状況が続いておりますが、密を避け、人との距離を保ちながら、周りを意識しながら、観光も楽しんでいただきたいものと思われます。
2020.09.03記