仙石原すすき草原山焼き 2025年実施日とアクセス・駐車場 神奈川県箱根町
台ヶ岳の斜面に広がる仙石原すすき草原。秋の金色に波打つススキは、箱根の秋の風物詩となっておりますが、春を迎えますとすすき草原の生態系の維持、景観維持のために山焼きを実施いたします。今回のカタスミ日記は、箱根仙石原すすき草原の山焼きの風景をご紹介いたします。
箱根仙石原すすき草原ってどんなところ?
神奈川県箱根町に位置しております仙石原すすき草原は、台ヶ岳の斜面に広がる約18haのススキの草原で、特に秋の金色に波打つススキの草原は箱根の秋の風物詩となっております。
もともと江戸時代に近隣の村では屋根葺き用のカヤ(=ススキ)の出荷を生業としておりましたが、近年では景観保護、観光資源としまして管理されている草原となっております。
仙石原すすき草原は、その美しさから「かながわの景勝50選」や「かながわの花100選」などにも選出されており、仙石原地区を代表する観光名所にもなっております。
仙石原すすき草原の山焼き
風になびく秋の金色の花穂が大変美しい仙石原すすき草原でございますが、見頃の時期としましては、例年9月下旬から11月中旬頃が見頃の時期となっており、それ以降につきましては、所謂枯れススキとなり、少々寂しい景観となってしまいますが、意外と冬の間も絶えることなく観光客が訪れる人気の草原となっております。
そのような仙石原すすき草原でございますが、毎年3月に草原の山焼きを実施しております。
地元では、「山焼き」と申しますよりも「野焼き」と呼ばれ親しまれておりますが、すすき草原の山焼きは観光イベントではなく、生態系と景観の維持を目的としまして実施されております。
実施日には、草原の前の県道75号線は通行止め規制が敷かれ、厳重な体制の中での山焼きとなります一方で、観光イベントという位置づけではございませんが、一般にも公開され、臨時駐車場の設置や観覧スペースなども設けられております。
当初は、3月7日(金曜日)に予定されておりましたが雪の影響など天候不順により延期となり、11日(火曜日)へ、しかしながら11日も天候不順により17日(月曜日)へ延期、更に19日(水曜日)も延期され、25日(火曜日)にようやく実施となりました。
なかなか気象条件にも左右されるところでございますが、実施の際は近隣住宅や宿泊施設などに煤(すす)が飛んでまいりますし、風向きによりましては小田原市内まで飛来することもあるようでございまして、近隣のご理解の上で成り立っている山焼きとなっております。
先ずは臨時駐車場としまして設定されております浄水センターに車を駐車し、県道75号線から100mほど浄水センター寄り(箱根湿生花園方面)の場所にございます山焼き観覧スペースに向かいます。
前日までは掲示も何もございませんが、実施が確定しました時点で箱根町HP内の「仙石原すすき草原の山焼きの実施について」のコーナーにて、交通規制・駐車場・観覧スペースの地図(PDF)が掲示されますので、訪れます際にはご確認の程お願い申し上げます(実施日が確定するまでは交通規制のみの掲示となり、確定後に観覧スペースなどが表示されたものとなります)。
10時30分頃に台ヶ岳側の一番高い場所に火入れが行われ、煙が上がるのが確認できます。
時折、炎が上がるのも見えますが、観覧スペースからは余りに遠く、良く見えないのが正直なところかと思われます。
台ヶ岳側を順次縦横と火を入れてまいりますが、一気に燃え広がるということはなく、順番に少しずつ燃やしている印象で、良く見える手前の方まで炎がやってまいりますのは、かなり後になってからとなりますので、観覧の際には折りたたみのチェアなど持参した方が宜しいかと思われます。
また、トイレは用意されておりませんでしたので、湿生花園などの公衆トイレで観覧前に済ませておいた方が無難かと思われます。
こちらは台ヶ岳側の山焼きが終了した状態。
例年でございますと、台ヶ岳側は午前中に終了し、午後からは湿原側に火を入れることが多いかと思われますが、2025年は前日に雨が降ったためか非常に時間がかかり、この時点で13時30分頃となっております。
ようやく湿原側の火入れが行われ、湿原側に設置されております観覧スペースからも良く見える状況となってまいりました。
消防隊員の方は平然と立っておりますが、かなり熱も感じますし、バチバチと激しく燃える音も聞こえてまいります。
終盤には観覧スペースのすぐ目の前のススキに隊員の方がバーナーで火を入れてゆきます。
隊員の方が火を入れましてすぐに、1分も経たないうちに大きな炎となり、大迫力の山焼きを肌で感じることができるようになります。
目の前で大きな炎が上がりますのは大迫力で、エンターテイメントとしましても魅力がございますところかと思われますが、火が回るスピードがとにかく早い、昨今の山火事ではございませんが、火の恐ろしさも安全な状況で体感できるというのは、教育という点でも魅力を感じる行事なのかと思われます。
山焼きは燃え残りがないよう、すぐに隊員の方が消火を徹底し、安全に注意しながら山焼きが実行されます。
因みに白い煙は水蒸気で消火時に出る煙で、炎が燃え盛っているときは真っ黒い煙となります。
無事に鎮火が行われ、14時50分頃には真っ黒いすすき草原が目の前に広がりました。
箱根仙石原すすき草原 アクセスと駐車場
仙石原すすき草原へのアクセスにつきましては、公共交通機関では、箱根登山鉄道箱根湯本駅より箱根登山バス桃源台線にて約30分、「仙石高原」バス停下車、すぐとなっております。
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1246-265付近
自家用車にてのアクセスにつきましては、西湘バイパス箱根口インターより約17㎞、車で40分ほどとなっております。
観覧用無料駐車場は、すすき草原から徒歩10分前後の箱根仙石原浄水センターに設置され、付近に案内板が掲示されますとともに、交通誘導員も配置されますので、現地にて案内に従い進みますと迷うことはないかと思われます。
また、ナビ設定の際には、浄水センターの住所が、神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1246となっており、近隣住所と区別されていないようでございますので、上手く案内されない場合もございますので、名称検索でナビ設定された方が宜しいかと思われます。
無料駐車場の他には、すすき草原からほど近い場所に、民間の有料駐車場も設置されておりますので、訪れます際には事前に地図などで駐車場の場所をご確認の程お願い申し上げます。
終わりに
今回のカタスミ日記は、箱根仙石原すすき草原の山焼きの風景をご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
実施日は天候にも大きく左右されますが、大きな炎が上がる大迫力と火の恐ろしさを体感しますのは有意義なことかと思われますので、チャンスがございましたら是非一度観覧していただきたいところかと思われます。
2025.03.31記

