懐かしい風景 世界遺産五箇山相倉合掌造り集落の茅葺き屋根のある風景 富山県南砺市
よく「日本の原風景」という言葉で例えられますが、茅葺き屋根のある風景は、どこかしら懐かしさを感じてしまうことろではないでしょうか。茅葺き屋根のある風景と言いますと、東は福島県の大内宿、西では京都府の美山かやぶきの里なども有名なところではありますが、やはり世界遺産にも登録されております五箇山・白川郷の合掌造り集落は、全国的にも知名度の高いところかと思われます。その五箇山・白川郷合掌造り集落の中でも、山間にひっそりと佇むように形成された相倉合掌造り集落を今回はご紹介いたします。
五箇山合掌造り集落の中で最大級の合掌造り集落の相倉集落
コロナウイルスの影響でしょうか、殺伐とした都会を離れて、長閑な田舎の風景が恋しくなってきている人も多いのではないでしょうか。
よく田舎の方に行きますと、たまにポツリポツリと茅葺き屋根の建物があったりして、ああ田舎に来たなあ、とどこか里帰りをしたかのような、ホッとした気持ちになったことはないでしょうか。
何故なのかは解りませんが、茅葺き屋根の建物って、どこかしら温もりを感じてしまうのは筆者だけでございますでしょうか。
その様な温もりの感じられます茅葺き屋根の合掌造りが多数残っており、世界遺産にも登録されました五箇山・白川郷合掌造り集落。
中でも特に、岐阜県の白川郷と言いますと合掌造りの代名詞のように有名な観光スポットとなっております。
白川郷よりも富山県側に形成されている五箇山の合掌造り集落は、もともとは、赤尾谷・上梨谷・下梨谷・小谷・利賀谷の五つ地域を総称して五箇山と呼んだとの話を伺ったことがございますが、下梨谷に属しました相倉集落は、現在では五箇山地域で最大級の合掌造り集落として、23棟の合掌造りの建物が保存されております。
深い谷と高い山に囲まれた山間の集落で、まさに民話の中に出てくるような世界を奏でている美しい日本の原風景を観ることができる集落となっております。
他とは違う相倉合掌造り集落の素朴な景色
世界遺産の五箇山・白川郷合掌造り集落は、庄川沿いのエリアに集落が形成されております。
しかしながら、白川郷や五箇山菅沼集落は、庄川のすぐ近くの平地に集落を形成しているのに対し、五箇山相倉集落は、庄川沿いのエリアと言いましても、庄川からはかなり離れたところに位置しております。
どちらかと言いますと、川沿いの集落と言いますよりは、山間の集落という雰囲気で、山間の少ない平地に寄り添うように合掌造りの建物が残っております。
切り立った山と深い谷、現在のように道路が整備されていなかった時代には、他の村との交易はごくごく限られたものであったのではないでしょうか。
白川郷のように比較的広い開放的な空間に形成されている合掌造り集落ではございませんので、コンパクトな土地に形成された集落は、箱庭的な美しさと調和が感じられるかと思われます。
また、白川郷や五箇山菅沼集落と比べまして、素朴な雰囲気がよく残っているとも感じられるところとなります。言葉を換えますと、観光地観光地してないと言いますか、生活感が感じられる集落となっております。
もちろん観光客向けの民宿やお土産物店、食事処、民俗資料館などもございますが、商売を繁盛させようという雰囲気はそれほど感じず、それよりも受け継いできた文化を大切に自分たちの生活を守ろう、という姿勢を感じるところもございます。
そこに人が暮らしている、当たり前のことなのかもしれませんが、文化遺産は人があってのもの、文化は人が作ったもの、そのような雰囲気を感じられるような集落となっております。
エンターテイメントではなく、現在も生活する人が受け継ぐ文化、その様子を垣間見させていただいたような気がいたします。
相倉合掌造り集落 アクセスと駐車場
まず、五箇山相倉合掌造り集落を訪れる際は、公開時間が朝の8時30分より夕方17時までとなっておりますので、ご注意の程お願い申し上げます。
ただし、年に数回行われるライトアップ期間は、この限りではございません。
これは、地域に根差して生活しており、それらの人々の生活を乱さないために、夜間や早朝の訪問は遠慮していただいているようですので、マナーを持って訪れたいところかと思われます。
富山県南砺市相倉710付近
国道304号沿いの「相倉口」バス停より南へ500mほどの所に広い第1駐車場が設置されております。
駐車場金は、普通車1回500円となっております。
また、公共交通機関では、JR城端線城端駅より世界遺産バスにて25分ほど、「相倉口」バス停下車、徒歩5分ほどとなっております。
終わりに
今回のカタスミ日記は、茅葺き屋根がどこかしら懐かしい気持ちにさせてくれます世界遺産の五箇山相倉合掌造り集落をご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
まだまだコロナウイルス感染拡大状況は予断の許さぬ状況が続いておりますが、密を避け、人との距離を保ちながら、周りを意識しながら、観光を楽しんでいただきたいところかと思われます。
2021.07.13記