水鏡の美しい幻想的な緑の世界 御射鹿池 長野県茅野市

 かつては知る人ぞ知る絶景スポットであった御射鹿池。テレビのCMにより一躍脚光を浴び、今や大型観光バスでも訪れる有名スポットとなってしまいました。新緑の頃のトップシーズンには早朝から三脚を立てて撮影に励む写真愛好家も大勢詰めかける人気撮影スポットの茅野市の御射鹿池をご紹介いたします。

 

 

緑の幻想的な世界が有名になりすぎた御射鹿池

SIGMA SD1Merrill iso100 F8 2.0sec 63mm相当

 その独特の空気感が好きで、何度となく撮影に訪れている御射鹿池。

 近年はテレビCMの影響か、観光バスでも訪れる様な有名スポットとなってしまいましたが、天候に左右されるところも多いので、何度か訪れてみますとそれぞれ異なる表情を見せてくれると思います。

SIGMA SD1Merrill iso100 F8 0.3sec 157mm相当

 撮影に拘るのでしたら、辺りが明るくなってくる早朝の水面が静かなタイミングがお勧めとなるのですが、週末などは三脚を構える写真愛好家のみなさんが早朝から陣取っている状況となります。

 道路沿いの展望スペースからですと、池の手前にカラマツが生えており、アングルが限られてしまいますので、三脚を3台ほど立てられると枝が写り込むような状況となってしまいます。ベストなアングルは、中央もしくはやや右のスペースになりますが、この2カ所は枝の間を避けるように撮影することになります。普通車用の駐車場側の左手のスペースからでも狙う事は可能ですが、やや距離があるので望遠必須となります。また、池の一番右寄りのスペースは開けており気軽に撮影できる雰囲気ですが、正面からではないので、その辺りをどういう表現にしてゆくのか考慮する必要もあるかと思われます。

SIGMA SD1Merrill iso100 F8 2.5sec 111mm相当

 トップシーズンは新緑の頃。新緑の頃はやはり混みあうことも多くなります。ただし、新緑と言いましても、標高が1,500メートルほどの高地ですので、6月頃が新緑シーズンとなります。

 御射鹿池の撮影に関しては、よく日が昇ると逆光になるから、と早朝を勧める記事を見かけますが、基本、水鏡の美しい場所は逆光になる場所が多くなりますので、寧ろ逆光は必然の状況だとは思いますが、御射鹿池の幻想的な緑の世界観を表現する場合は、空を写さないこと。空を写してしまいますと、ただの綺麗な池で終わってしまう事が多くなると思われます。

 空を写さない前提でいきますと、逆光はそれほど問題ではないと思われます。

 ただ晴れた日の、日の高い時間帯は、水面がざわついていることが多く、撮影の条件としては少々難しい部分もあると思われます。

SIGMA SD1Merrill iso100 F8 3.2sec 111mm相当

 自分が好んで訪れるのは、曇天の日。昼間でも比較的水面が静かなことが多いと感じています。

 曇天の日は、ギラギラとした新緑の写り込みを表現するのには向いていませんが、しっとりとした素直な色乗りは、色味を大切にしたい方にはお勧めですし、何より混雑が少ないです。

 しかしながら、御射鹿池は霧が発生しやすい所でもありますので、天候には少々シビアな面もあります。霧が発生しますと池全体が数分で真っ白になり視界を奪われることも多いので、注意が必要かと思われます。

SIGMA SD1Merrill iso100 F8 1.3sec 63mm相当

 一度訪れただけではなかなか思うように撮影できない御射鹿池。独特の幻想的な雰囲気を味わってしまいますと逃れられなくなるかもしれない魅惑的なスポットです。

SIGMA SD1Merrill iso100 F8 1.0sec 111mm相当

 

御射鹿池アクセス

 御射鹿池は、長野県茅野市豊平にある農業用のため池ですが、ナビ設定をする際は、明治温泉さんを目印に訪れますと分かり易いかと思われます。

 長野県茅野市奥蓼科4734付近

 諏訪インターよりメルヘン街道方面に進み、セブンイレブン茅野堀店さん付近より県道191号線に進んでゆきますと向かうことができます。

 御射鹿池の付近は、道路を鹿が横断することもしばしばありますので、特に早朝は鹿の飛び出しにご注意下さい。

 御射鹿池はため池100選にも選ばれている農業用のため池ですが、酸性の水で魚や微生物が生息しづらいので透明感のある水質が保たれていると言われており、また、酸性の水を好むチャツボミゴケが湖底に繁殖していて独特の緑の世界が生み出されているようです。

 

御射鹿池の四季

SIGMA sdQuattro iso100 F3.5 1/320sec 45mm相当

 御射鹿池はその美しい緑の世界が人気で、新緑の頃が一番美しいとも言われております。

SIGMA sdQuattro iso100 F5.6 1/30sec 76mm相当

 グリーンシーズンの美しさは間違いのないところではありますが、紅葉もまた美しいスポットとなります。

SIGMA sdQuattro iso100 F7.1 1/13sec 75mm相当

 早朝の水面が静かな時間帯もお勧めですが、紅葉の時期は、西陽の当たる時間帯もお勧めです。金色に輝くカラマツが水面に写り込む姿は他ではなかなか見ることの出来ない世界ではないでしょうか。

SIGMA sdQuattro iso100 F8 1/25sec 75mm相当

 こちらは紅葉の時期は少々過ぎてしまっていましたが、西陽が当たって金色に輝くカラマツは上手く表現できていると思います。

 更に冬の時期になりますと、池全体も凍結してしまいますし、周囲の道路も凍結する部分もあります。

SIGMA sdQuattro iso100 F8 1/60sec 82mm相当

 遅い春を迎えましても、全体的には少々淋しい雰囲気の池となります。まだ緑の葉が生えそろっておりませんし、池全体が黒っぽく、緑の世界は感じ取ることができない状況となります。

SIGMA SD1Merrill iso100 F8 1/13sec 63mm相当

 

参考情報

 今回は、HPリニューアル後の最初の投稿となり、長野県の御射鹿池をご紹介いたしました。

 近年では、すっかり有名になってしまった感のある御射鹿池ではありますが、東山魁夷画伯の「緑響く」のモチーフとなった場所でもあります。時間の余裕がありましたら、善光寺近くの長野県信濃美術館にある東山魁夷館に足を伸ばしてみるのも良いかと思います。

2020.05.03記